プンチャック・シラットについて

プンチャック・シラットとは、インドネシアを中心とするマレー地域発祥の1000年の歴史を持つ伝統武術であり、大小数百を越える流派が存在している。いずれの流派も以下の4つの要素のいずれか、もしくはいくつかを備えている。

A) メンタル・スピリチュアル(精神安定と集中力を養う)
精神安定や集中力を養成する。気の習得は、集中力から生まれる爆発力や透視力を見せることができる。
B) 護身術(身を守るための型や技を学ぶ)
危険から身を守る護身の技を習得する。基本型には、危険から身を守る護身の技の基礎があり、これを習得することで、危険に対し臨機応変に対処する力をつけることができる。
C) 演武(民族音楽に合わせて型を演ずる)
扇や剣などを持ち、民族音楽であるガムラン楽団などに合わせて型を演じる。柔軟性や機敏性を磨くことができる。
D) 競技シラット(試合ルールに従って戦う格闘競技及び規定型演武)
ボティープロテクターを着け、試合のルールに従って戦う格闘術。強い精神力を養いながら、俊敏で引き締まった体を作ることができる。また、規定の型を競う演武部門もある。

プンチャック・シラットでは素手・素足での攻撃を基本とするが、短剣や籐の棒などの武器を使う場合もある。また、上半身もしくは下半身のみに特化した動きではなく、身体全体をバランスよく優雅に使うことも特徴のひとつとして挙げられる。

プンチャック・シラットを学ぶということは、単に技を覚えるのでなく、礼節を知り、体と心を鍛えることを通して、その人らしくよりよい生き方を学ぶことである。基本精神は、「稲の教え(イルム・パディ=実るほど頭を垂れる稲穂かな)」に象徴され、この精神は世界プンチャック・シラット連盟(PERSILAT)が定めるPESILAT(プンチャック・シラット選手)の誓いに継承されている。

Pesilat(プンチャック・シラット選手)の誓い “Ikrar Pesilat”

1. Pesilatは、崇高な精神と品格を備える。
2. Pesilatは、同胞を尊敬し、友愛と平和を愛する。
3. Pesilatは、常に前向きに考え、行動し、創造性と力強さに溢れる。
4. Pesilatは、真実・公正・正義を守り、試練に立ち向かい、誘惑を跳ね返す。
5. Pesilatは、自身の言動に常に責任を持つ。

 

プンチャック・シラットに関する良質な文献は残念ながらまだ邦訳されていないものが多い。日本語でアクセスできる文献としては、初代会長對木氏が著したシンランバ派の解説書の他に、JAPSA会員であった水上浩氏(千葉大学大学院修士 課程修了、故人)により発表された「インドネシアの武術プンチャック・シラットの稽古とことばの役割」が挙げられる。本小論には1998-99年 に彼が文部省派遣奨学生としてガジャマダ大学に留学し、プンチャック・シラットの研究に従事した成果が簡潔にまとめられている。筆者である故水上氏はムルパティ・プティに入門し、MP Level5 Kombinasi Iの段位を取得した。

バライ・インドネシアへの行き方
目黒駅西口より徒歩約15分。 (目黒通りを山手通り方向に直進し、横断歩道橋を過ぎた最初の角にある骨董屋さんを右折、突当りを左折) バス利用の場合は、目黒駅西口より東急バス(どれでも可)に乗り、3つ目のバス停「元競馬場」下車、徒歩2分。